2007年08月03日

ドラッカー『非営利組織の経営』C―市民社会をつくる

前回の続きですが、ここは特に印象に残った部分なので、ほぼ全文を紹介します。

5、市民社会をつくる
 あなたはCEOではないかもしれない。週に三時間のボランティアにすぎないかもしれない。スカウトのリーダー役にすぎないかもしれない。患者のベッドに花を活けてやっているにすぎないかもしれない。
しかし、そのあなたがいまやリーダーである。
 非営利組織のボランティアであるということは、社会のリーダーであるということである。
 単に投票し税金を納めるだけでなく、みなが能動的に働くという昔のような市民社会をいまわれわれはつくりつつあるということこそ、心躍るまったく新しい事態である。

 企業がそのような社会をつくることは難しい。参加型マネジメントについて多くのことが論じられているが、実現は遠い。企業では実現できないかもしれない。障害が多すぎる。
 ところがわれわれは、これを、一人ひとりの人間がリーダーである非営利組織において実現しつつある。
 有給の人もいれば無給の人もいる。教会では、聖職者ではない無給のボランティアが大勢働いている。ガールスカウトには有給のスタッフの100倍のボランティアが責任のある仕事をしている。

 こうしてわれわれは、非営利組織を通じて明日の市民社会をつくりつつある。
 その市民社会では、みながリーダーである。みなが責任をもち、みなが行動する。みなが自らは何をなすべきかを考える。みながビジョンを高め、能力を高め、組織の成果を高める。

 したがって、もはやミッションとリーダーシップは、読んだり聞いたりするだけのものではない。実践するものである。よき意図と知識を、成果をあげる行動へと転換するものである。来年ではなく、明日の朝転換するものである。


 「マネジメントの父」といわれ、来るべき社会の姿を的確に予言してきたドラッカーが、非営利組織による新しい市民社会の到来に期待していることが非常に印象的です。
 ドラッカーの指摘にあるように、非営利組織では一人ひとりがリーダーとなります。そして、市民社会では、一人ひとりがその社会のリーダーであり、オーナーなのです。
 その意味で、ボランティアサークルやNPOの役割は、そういった市民社会の主役となるべきリーダーを育て、明日の市民社会を築くことにあるといえるでしょう。
posted by Arthur at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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