2007年11月21日

イチローに学ぶセルフ・マネジメントD―よき師を持つ

前回からかなり期間が空いてしまいましたが、「イチローに学ぶセルフ・マネジメント」第5回(最終回)です。
今回のテーマは「よき師を持つ」です。

    ▽  ▽  ▽

最終回の今回は、ちょっと違った観点のお話です。
私たちの一番の問題は、いかにしてイチローのような自分になるか、またイチローのようなメンバーを育てるかでしょう。
その答えを得るために、「イチローはいかにしてイチローたりえたのか」を探ってみることにしましょう。

今のイチローがあるのは、もちろん本人が言うように「努力のたまもの」でしょうが、もともと天賦の才があったことも否めません。

しかし、その天賦の才も、イチロー一人では完全に開花させることはできなかったでしょう。
イチローが今のイチローでありえるためには、三人の人物との出会いが欠かせなかったのです。

一人目はイチローのお父さんの宣之氏(通称チチロー)。

宣之さんは早くからイチローの素質を見抜き、サポート役に徹していきました。
小学校時代から毎日野球の相手をし、中学時代はバッティングセンターに毎日付き合って、高校時代も練習をよく見学に行き、何かあるといつも相談相手になったといいます。

なかでも、宣之さんが一番イチローに教えたかったことは、「周りに感謝する」ことだったといいます。

 一朗には、「人はひとりで生きているわけではないんだ」と、いつも言い聞かせていました。野球がうまくても、周囲に感謝できない人間ではしょうがないですから。
 小、中、高校で出会った野球部の監督や仲間たちをはじめ、ご近所のみなさんも、常に私たち親子を見守り、一朗の夢を応援してくれました。
 私たちが通ったバッティングセンターの社長が、一朗のために特別速いボールが出るマシンを用意してくれたこともありました。そういう方々のおかげで、今のイチローがあるのだと、一朗自身も分かっていると思います。


イチローが父・宣之さんから学んだものが、周りに対する感謝の気持ちだとしたら、愛工大名電の中村監督からはプラス思考を学んだと言うことができます。

中村監督は次のように振り返っています。

イチローにはプラス思考の重要性をよく言って聞かせました。結果は良いか、悪いかのどちらかなんだ。そんなとき、「ダメかもしれない」と弱気になったら、必ずそっちに引きずられる。そこで「絶対うまく行くに決まっている」というプラス思考が必要だ

三振するときは思いっきり振れ、そして、三振してダグアウトに帰ってくるときに、悔しいとか、ポケッとして戻ってくるな。「ベンチまでの13歩は次の打席、次の試合のためにある」と考えろ


少年時代に父・宣之さんとの練習で培った基礎的能力のうえに、愛工大名電時代の激しい練習と中村監督の指導が加わります。

そして、そんなイチローの秘められた才能を一気に開花させたのが、オリックスで出会った仰木監督でした。

仰木監督の若手に対する指導法は、まず、「珠は磨けば必ず光る」「光らせるためには経験する場を与える」「常に白紙の状態で見てやる」。そして、「可能性に賭けることに、監督自身が積極的になる」でした。

それまでのイチローはフォーム改造をめぐって監督やコーチと意見が合わず、一軍と二軍の間を行ったり来たりしていました。
そこに自主性と可能性を重んじる仰木監督が登場することによって、潜在的な能力の高さを認められたイチローは、見事一軍に抜擢されその才能を一気に花咲かせることになるのです。

イチローのメンタル・技術両面での人並み外れた才能は、決してイチローが一人で獲得したものではなく、すべてよき師との出会いの中で培われていったものなのです。

プロ野球の二軍時代、自分のやり方がなかなか認められない悔しい思いを、イチローはよくお父さんや高校時代の中村監督に吐露していたといいます。

自分の身近にいつでも気軽に相談できる人がいたことも、イチローが途中で夢をあきらめないで最後まで貫き通せた理由の一つだったでしょう。

ウォルト・ディズニーの言葉に次のような言葉があります。

成功は自分ひとりの努力によるものだと主張することは、浅はかで傲慢なことだ。
どんな優れた業績も、多くの人々の手と心と頭に助けてもらって初めて可能になるのだから。


自分自身に限界を感じたときは、誰か他の人に頼ることが一番の解決策です。
人は万能ではないのですから、誰でも一人できることは限られているのです。

そんなときのために、私たちもいつも自分の周りによき師、よき友を持ち、いつでも助け合い、相談し合える環境を作っておくことが大切でしょう。
究極のセルフ・マネジメントは、困ったときには何でも相談できる、「よき師」「よき友」を持つことかもしれませんね。
posted by Arthur at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | セルフマネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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